「簡易曲集」というタイトルでオリジナル曲の制作を始めた。
この曲集ではメロディの発想や全体のボリューム、演奏技術、使用するコード。曲を制作する際の自分にそれらは一切求めない。
自分が思いついたメロディをそのままに、一区切りがつくまで即興的に続けたものを記録し、確認と修正は最低限に留める。とても質素で、簡易的にまとめられたものにしたい。
ここから始めようと思ったのには理由がある。
もう一度、曲を作ることを好きになりたかったからだ。
私はすっかり曲を作ることが好きになれなくなってしまった。けれど不思議なことに、なぜか少し休息期間を設けると、好きではなくなったからといってやめたはずのものをまた作ろうとする。
ここに生じた矛盾に私は以前から疑問を抱いていた。
考えてみて、もしかすると私が好きでないのは曲作りそのものではなく、完成するまでの過程に原因があるのではないかと思った。
だから一回、曲作りをしてる時の自分を見直すことにした。
曲を作ってる時、どんなことを自分に求めるか。自分で自分に課しているものを点検してみると、クオリティや演奏のこと、全体のボリュームもそう。どれもかつての私がこれくらいは欲しいと思っていたものを基準に作られていた。
私はそこでかつての自分とのギャップに気がついた。
これが原因だろう。今の私はかつての自分のように、思い描いた未来予想図を現実のものにしようという情熱もなければ、持っていた夢や希望の消費期限はとっくに過ぎてしまっている。
多分、曲作りは今も好きなのだと思う。けれど好きな曲作りでその後どんな発展を遂げたいかと想像していた未来予想図は、今の私にはもう相応しくない。もしそうだとしたら、その未来予想図の方を自分の曲作りから削除することで違う答えを見つけられたりはしないだろうか。
いや削除ではなくアップデートにしよう。
古くなった未来予想図を新しいものへとアップデートする。
私の曲作りはまだまだ続いてほしい。なんとかしようとこんなに一生懸命考えたのも、それが私の本音だからだろう。
未来予想図のアップデート。その第一歩として始めたのが「簡易曲集」の制作だった。
時間にして一曲大体、1分半から2分程度の時間。その間に語られるお話や伝えられる描写はどれも、私の頭の中で創造されて潜伏していた世界にある、ほんの一瞬の出来事だ。
私以外の誰も、この曲集には価値を感じないだろう(ここに関しては少し言い過ぎなくらいが丁度いい)
私の曲作りはまたそこから始まる。
けれど進む方向や描く未来は違っているかもしれない。それをこれから確かめにいきましょう。
公開されてるOp.(オーパス)は今日の時点で3つ。12月は(他のことが忙しすぎるので)お休みするとして、年明けにまたトラックが増えるでしょう。
SoundCloudに投稿したトラックは2つ。
original Piano Instrument「簡易曲集 Op.1-2」
original Piano Instrument「簡易曲集 Op.1-3
1-1はどこいったんだ、というのがこの記事の最後にするお話です。
実は私のYouTubeチャンネルにある「Prelude」というタイトルの自作曲。彼がOp.1-1として収録される予定です。
というのもこの曲は「簡易曲集」のコンセプトにかなり近いものがあって、このコンセプトの発想の原点はPreludeという曲に感じた充実感を発端としています。
そういう経緯があったので、この曲集の先頭に立つのは彼が相応しいだろうと思いました。
曲集の一区切りはもう決まっているので、そこまでの制作が済んだら改めて録り直したものを投稿したい。
まずは簡易曲集を一区切りまで作り、完成させる。
この目標を来年の春までに達成できれば。
ここまではとても順調に進んでいるし、残りの制作も余程変な躓き方さえしなければ、十分クリアできる目標だと思う。
最後までこの調子で進めていきましょう。